【PPM関連】過去問4:平成26年度 解答


【問いの狙い】
プロダクトポートフォリオマネジメントについて、
前提、それぞれのセグメントカテゴリの理解を問いています。

PPMの課題と、ドメインの理解が必要となる問題です。

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【解答】
オが正しい

ア:事業単位は他の事業単位と製品や市場について相互に関連した統合的戦略をもち、計画の範囲内で自由に対処する。
→誤り
PPMは財務的な観点のみしか考慮されておらず、
各SBUの相互に関連した統合的戦略を持つこととは異なる

イ:資金の流出は市場での競争上の地位で決まると考える。
→誤り
PPMにおいては、資金の流出は市場成長率にて規定される

ウ:資金の流出量を削減して優位性を確保できる「問題児」の選択が重要である。
→誤り
資金の流出量を削減して優位性を確保できるのか金のなる木

エ:自社の相対的な市場シェアと自社事業の成長率を基準として事業を分類する。
→誤り
自社ではなく市場の成長率で分類する

オ:全社的な資源配分のための論理のひとつとしての位置付けが重要であり、ドメインの定義と併せることで現実的な資源配分の指針となる。
→正しい
PPMは財務的な観点でジャッジしているので、ドメインの定義により現実的な資源配分が行われることとなる

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【リマインド】
◎プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)の前提
・SBU(Strategic Business Unit 戦略事業単位)
特定の事業を中心として構成される、戦略策定のための単位

・PLC(Product Life Cycle 製品ライフサイクル)
製品が市場に投入され、廃棄されるまでの生命周期
(導入期、成長期、成熟期、衰退期)
→PPMとの関連
市場成長率という軸に密接に関連する。
1、導入期は市場成長率は未だ低い
2、成長期は市場成長率が高い
3、成熟期、衰退期は、市場成長率が鈍化している

・キャッシュフロー
企業内部への資金の流入額から、企業外部への資金の流出額を差し引いた差額

・経験曲線効果
製品の累積生産量が増加するに従い、一製品あたりの生産コストが一定の割合で減少するという、生産量とコストの関係を示す経験則
→PPMとの関連
相対的市場占有率という軸に密接に関連する
1、市場占有率が高いほど、累積生産量が多くなる
2、経験曲線効果が大きい
3、生産コストが低くなる
4、資金流出が少なくなる
5、キャッシュフローが増加する

◎PPMについて
市場成長率を縦軸(上が高い)、
相対的市場占有率を横軸(左が高い)とすると、

花形   | 問題児
ーー     ーー
金のなる木| 負け犬

◎セグメントカテゴリの内容
・花形
相対的市場占有率 高い
資金流入     多い
市場成長率    高い
PLC 成長期
資金流出     多い
→資金流出も資金流入も多く、キャッシュフローの源ではない
→成熟期となると、金のなる木へと移行、投資を継続し、相対的市場占有率を高める努力の必要あり
→問題児から花形、研究開発などにより直に花形となる可能性がある

・金のなる木
相対的市場占有率 高い
資金流入     多い
市場成長率    低い
PLC 成熟期
資金流出     少ない
→資金流入が多く、資金流出が少ないことからキャッシュフローの源となる
→獲得したキャッシュフローを、花形や問題児、研究開発への投資する必要がある
→市場成長率が停滞しているため、積極的な追加投資は控える

・問題児
相対的市場占有率 低い
資金流入     少ない
市場成長率    高い
PLC 成長期
資金流出     多い
→資金流出が多く、資金流入が少ないため、キャッシュフローがマイナス
→投資を行い、相対的市場占有率を高めることで、資金流入を増やし花形へ
→花形に育てるための選別が重要

・負け犬
相対的市場占有率 低い
資金流入     少ない
市場成長率    低い
PLC 衰退期
資金流出     少ない
→資金流入、流出共に少ない
→基本的には撤退、他の事業での有効利用を図る
→売上規模は小さいが、資金流出は少ないため、利益率が高い事業となる可能性はある。

・PPMの課題
企業の経営資源を財務資源という観点からしか捉えていない
各SBU間のシナジーといった質的な面での評価が軽視されやすくなっている
PPMはすでに展開したSBUの分析、新規事業の展開への方針にはなりにくい
負け犬に配置されたSBUの士気が低下するおそれがある
金のなる木への投資が行われないため、衰退が早まる可能性がある。

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