役割(職種):量販営業


メーカーに所属し、量販店に対する法人営業職について
キャリアの発展に必要となる要素の考察です。

その前提として、
・なぜその仕事を行うのか
・何を、どのように仕事を行うのか
・成果を出すために必要な方法やスキルとは
について記載します。

そのうえで、長期的にキャリア構築していくための要素について説明します。

 

【なぜその仕事を行うのか】
◎担当顧客(量販店)における自社商品のインストアシェア(担当カテゴリ全体を100とした場合の自社占有率)を高めるため
◎自社商品を手法として、担当顧客(量販店)の店舗経営における課題解決を行うため
◎自社商品を手法として、ショッパー(担当顧客に訪れるお客様、消費者)に付加価値を提供するため

 

【何を、どのように仕事を行うのか】→リンク先は、成果を出すために必要な方法やスキルの説明です。
◎担当小売店、量販店のニーズやオペレーションを理解し、それを反映した自社商品の半期の販売目標・戦略・プランの開発・提案をし、顧客の本部(商品部)バイヤーやその上司の合意を得る
量販営業における、顧客の課題抽出方法

◎担当小売店、量販店の本部(商品部)で合意された販売目標・戦略・プランを地区本部や業態担当の他の同僚(量販営業職)や店舗担当のマーチャンダイザー(商品陳列の企画者)やラウンダー(実店舗の調査、コミュニケーター)と協働し落とし込み、目標達成を成し得る店頭状況(インストアシェア)を実現する
量販営業における課題解決 3つの提案ポイント

◎カテゴリー(担当商品群)やショッパー(消費者、顧客となる量販店のお客様)の知識や市場・得意先のデータを活用・分析し、棚割り提案やプロモーション施策を本社のトレードマーケティング部(BtoBを対象としたマーケティンググループ)と協働して、提案・実行する
※トレードマーケティング部は外資系メーカーでは通常設置されている。日系企業の場合は、プロモーション施策は営業企画部が行うケースが多い。
リテール分析手法(基礎)

◎ビジネスの進捗状況を継続的に分析・トラッキングし、自ら状況に応じた最適のアクションを取る
シェア分析・数値管理手法

◎市場におけるキーアカウントマネジメント(重点顧客との良好なビジネス関係を維持、また強固する)を実践する
・担当キーアカウント(重点顧客)のカウンターパート(本部商品部バイヤーなど)と強力でかつ親密な関係を構築し、自社にとって他のキーアカウントの模範となるような店頭状況を作り上げることにより売上目標を達成する
・社内外において他部署との協働
カテゴリーマネジメント、棚割り提案(営業企画、データアナリスト)
サプライチェーンマネジメント(物流)
フォーキャスティング、需要予測(インサイトプランニング)
ジョイントビジネスプランニング(新規事業など)
上記を推進するために、社内外に他部署との協働が必要
POSデータから先の、現場視点を交えたオーダーメイドの提案

◎市場分析→担当顧客のインストアシェア向上に活かす
カスタマーの複雑性:昨今のM&Aなどによる大手広域チェーンへの集約化により、カスタマーの組織やオペレーション(例:グループ化や商談ポイントの増加)が複雑化。その変化をタイムリーに把握し、より深い顧客の理解をすること、更に地区本部や業態を担当する他の同僚と協働し、ビジネスを担う。
量販店の収益構造

 

【長期的なキャリア構築に必要となる要素】
◎営業職として
・自社の定番商品を扱ったカテゴリーマネジメントにおいて、顧客に競合他社商品も含めた棚割り提案を行い採用に結びつけるとともに、インストアシェアを向上させる
・担当顧客への「課題抽出→計数分析→提案→課題解決、フォロー」これら一連の流れを深く深く行う
・ショッパーへの付加価値を顧客の視点においても理解し、自社の様々な部署を巻き込んで更なる改善に活かす

☆キャリア初期における重要なポイント
・本部商談の経験において、成功体験と失敗体験の深み。また、そこからの学びのまっとうさ。
・大手メーカーで季節変動のある定番商品を扱い、卸と量販も大手を任せられていると転職市場での評価が高い。
・数値分析、論理性、仕事の意義の理解(ショッパーへの付加価値など視点の高いマインド) これらは得意とする人物に師事を仰ぎ、必ず高めること。

◎営業職→営業Mgrとして
・本部商談を行う営業職を複数名部下とし、自立した職務遂行能力を持つことができるように育成する
・欠品など社内の問題による顧客への不都合を減らせるように、社内各所に働きかけ改善につなげる
・事業目的と予算目標を理解し、評価制度を自ら構築する意識でマネジメントに取り組む
→「企業の評価制度とは」こちらもご覧ください。※別ページに移動します

◎営業Mgr→経営幹部として
・ビジョン構築、戦略性、ビジネスモデリング、を業界を俯瞰したものの見方で組織に伝達し、実行に移す。高い成果を出し、要因を分析し、適切なフィードバックを行う。社外に自分を頼る人物を多く作ること。