【ドメイン関連】過去問3:平成24年度 解答


【問いの狙い】
ドメインの定義を正しく理解しているか問いています。
企業ドメインと事業ドメインの目的や効果の違いを的確に判断できるかどうかがポイントです。
事業ドメインの決定に伴う効果について、正しく理解できていますでしょうか。

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【解答】
オが適切

ア:企業ドメインの決定は、通常、新たに進出する事業における自社の競争力と当該事業の発展性を判断基準とし、当該事業の他事業への波及効果は個別事業選択の判断基準として考慮されていない。
→当該事業の他事業への波及効果は個別事業選択の判断基準である。

イ:企業ドメインの決定は、通常、企業にとって多角化の広がりの程度を決め、個別事業の競争力を決める問題である。
→「企業ドメインの決定は、通常、企業にとって多角化の広がりの程度を決め」ここまでは正しいが、個別事業の競争力を決めるのは事業ドメイン。

ウ:企業ドメインの決定は、通常、多角化した複数事業間の関連性のあり方に影響するが、集約型の事業間関連性パターンでは規模の経済を重視して資源を有効利用しようとする。
→複数事業において、資源を有効利用ことで経済性を向上させるのは規模の経済ではなく範囲の経済。

エ:事業ドメインの決定は、通常、企業のビジョンの枠を超えて企業のアイデンティティの確立を規定し、企業の境界を決める。
→企業のアイデンティティや境界を決めるのは、企業ドメイン。

オ:事業ドメインの決定は、通常、設定された領域の中で事業マネジャーにオペレーションを行う自律性を与える。
→事業ドメインの決定に従う形であれば、決められた領域のなかで自主的に動くことができる。正しい

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【リマインド】
・ポートフォリオ
金融や投資の領域において、複数の異なる資産に分散して投資することや、資産の組み合わせといった意味で用いられることが多い。
・事業ポートフォリオ
展開する事業の組み合わせ

・ドメイン(事業領域)
ドメインとは事業領域のことです。
現在から未来に向けた、企業の事業がいかなるものなのかを明示した企業の生存領域です。

・ドメインの設定について
自社の経営資源を鑑み、どの領域で勝てるのかという点と、
自社の将来像を設定し、今後必要な経営資源を確保するにはどの領域で活動することが有効なのかについて、考慮する必要がある。

→ドメインの設定が狭いケース
顧客ニーズに合わなくなる
→ドメインの設定が広いケース
経営資源が分散する
競争に敗れやすくなる

◎企業ドメイン、事業ドメイン
複数事業を展開する企業では、ドメインの定義は、
企業全体の事業領域である企業ドメイン、事業ごとの領域である事業ドメインの
二つの階層がある。

・企業ドメイン
展開していく事業の範囲、また組み合わせ(事業ポートフォリオ)を決定する。
企業としてのアイデンティティを決定することともいえる。

・事業ドメイン
その事業の範囲を決定するということ、
どのような顧客を対象に、どのような商品展開を行うのか。
事業ドメインを考慮する際には、エーベル(Abell)の3次元枠組がある。
「どんな顧客(Customer)に、どんな機能(Function)を、どのような技術(Technology)によって提供するのか」

◎ドメインの変化、コンセンサス
ドメインの設定後、将来の選択肢が限定されるため、
外部環境の変化に合わせ、修正する必要がある。
ドメインの変更後は、組織内部だけでなく、外部ともコンセンサス(合意形成)を得ることがベター。

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