◎提案する相手のポジションや個性から、課題やニーズに仮説を立てる
→(参考)コミュニケーション手法 OSCD
※提案相手のポジションにおいてニーズの乖離が存在します。こちらのページ下部で説明します。
◎抽出した課題やニーズを顧客と共通認識として同意を得る。
→(参考)課題抽出方法
◎課題解決と収益向上の手段として、自社商品の競合と比較した優位性に納得してもらう
→(参考)POSデータから先の、現場視点を交えたオーダーメイドの提案
☆上記3ステップからの結果と、そのうえでのフォロー、更なる提案といった一連のサイクルを繰り返すことで、インストアシェアの向上に繋げる。
以上の流れのなかから、
・提案相手のポジションにおけるニーズの乖離、特徴
について詳細に説明します。
【提案相手のポジションにおけるニーズの乖離、特徴】
まず、量販店は店舗全体の売上高を伸ばすことを目的としています。交渉相手のポジションが、経営層に近ければ近いほどその色は強くなります。
そのうえで、量販店は自社のカテゴリ(部門)をどのように強くしていくかという戦略を常に考えていますが、提案する相手によって聞きたいポイントが異なります。
・本部バイヤー
会社から大きな数値責任を与えられていることもあり、価格や条件面の話が中心となるケースが多いようです。バイヤーの数値達成への貢献度や協力姿勢の強いメーカーに好意的となりますが、メーカーとしても価格交渉で有利な条件を引き出すことを責任として行っていかなければなりません。
そこで、「担当カテゴリが持つ数値責任のなかで、重要な計数の項目は何か」を重点的に把握するようにしてください。
粗利や回転率、欠品率改善など、提案するタイミングによっても変化しますので、定期的なフォローが必要です。粗利益率など取引条件そのものの話にはなるべく持っていかず、粗利益高や坪効率の改善など、収益の改善を目的とした話の展開を行なっていきましょう。
・商品部のトップ(バイヤーの上司)
バイヤーは担当カテゴリが決まっているため、自らのカテゴリの売上伸張に固執し全体観を失うケースがありますが、そういったことにならないように統制を司っているのが商品部長です。売場全体の魅力を高め、売上を伸ばすことを目的とした戦略を考えているため、より大きな視点での課題抽出を行ってください。部門をまたいだ関連販売など、販売機会の拡大に大きな可能性を持つ対象者です。
・店長
個店や店長が管轄するエリアにおける、売上高、店舗利益、客数などで評価されています。量販店全体のカテゴリ(部門)を伸ばすといった意識は強くないケースが多いです。つまり、カテゴリ全体を伸張するための提案よりも、店長が管轄する責任範疇において売上高、店舗利益、客数などに対する悩みや課題解決に直結する提案を行ってください。大手量販店の旗艦店の店長などは、エリートコースですので良好な関係を築いておくべきです。
・売場Mgr(店長の部下)
チャンスロスや業務効率など、オペレーションを重視した評価を受けていることから、収益や成果に見合わない仕事は極力避けたいと考えています。季節変動の大きい定番商品へのフォーキャスティングの精度向上や、欠品の改善など、現場が動きやすいオペレーションの提案は彼らにとって興味度の高い話のようです。
・経営者
売上金額と、自社の競合と比較した優位性(ブランド)に、数値的な貢献度がどの程度あるのかといったことに興味があります。ここに対する実績の説明の準備と、各担当者から得られた情報をもとにして、課題や悩みを想定し対話を行ってください。短期的な利益は期待せず、信用を得ることを目的にコミュニケーションをとるように心がけ、関係を発展させてください。