量販営業における、顧客の課題抽出方法

成果を出すことのできる量販営業担当者は、常に「自社商品を手法にすることによって、担当量販店の課題解決が可能なのか」を念頭に行動しています。
課題を抽出する目的は、自社商品を手法とした提案の納得度を高めることで、自社商品のインストアシェアの向上に繋げるためです。

◎まず初めにすべきこと
・顧客情報の基本要素を抑える
・売り場を巡回し、「商品情報の基本要素」を抑える
・売り場を巡回し、「店舗オペレーションの基本要素」を抑える

本部商談をメインで行う量販営業担当者にとっても、売り場を定期的に巡回し情報を得ることが大切です。
上記3つの抑えるべきポイントの細かい要素を記載します。

【顧客情報の基本要素】
・売上高の現状(増減のトレンド、今後の見通し)
・粗利益率
・商品回転率
・在庫金額、内容
・陳列の優先順位のつけ方(売れ筋の見極め方)
・地域情報、競合店の把握(そのうえでの売り場作りの課題がないか)
・販促、接客体制の状態
・自社商品のインストアシェア、自社における前任者の成果や取り組みの把握
・経営層の担当カテゴリにおける悩みや課題の有無
リテール分析手法
シェア分析・数値管理手法

自社の商品特性と照らし合わせ、各項目における自社と顧客の相性や着手点を洗い出します。

【商品情報の基本要素】
・メイン商品、新商品、強化商品の打ち出し方
・主力商品と関連商品のクロスMDの取り組み方
・販促のレベル(POP内容やイベントの分かり易さや目を引く面白さ)
・担当者のカテゴリ全体の商品知識のレベル
・品切れや欠品、死に筋商品への対応の細かさ
・売数に適した棚割りや陳列量になっているか
・汚れやホコリなどの衛生面

【店舗オペレーション情報の基本要素】
・販売員の目標把握度合い(業務内容から先の、予算や仕事の意味の理解度)
・マニュアル内容の充実度
・前進立体陳列、フェイスアップの徹底度
・備品やゴミの管理
・レジの対応力
・人員配置(臨機応変さや費用対効果などが適正か、工夫がなされているか)

基本編:BS/PLの仕組み

経営の実行プロセスである組織マネジメントにおいて、その要素である経営資源は大きく「ヒト、モノ、カネ、情報」に分けることができます。その経営資源の全体像である経営を捉えるうえで、会計は有効なツールの一つです。
つまりどのような仕事を行ううえであっても、企業活動の全体像を捉える必要がある際は、会計というツールを活かすことは意味が大きいと言えます。

また、4つの経営資源には、短期的に企業に流入しては流出する「フロー資源」と長期的に繰り返して使い続ける「ストック資源」があります。
フロー資源には、原材料や製品、外注サービスや利益配分などが含まれます。ストック資源には、人材や資金、設備や技術などが含まれます。
事業活動を開始する際に持っているストック資源を、事業期末に増やすことができていれば(お金の量を増やせた、従業員の仕事の能力が向上した、など)、企業が成長したと判断できます。
ストック資源を増やすために、フロー資源が投入されます。フロー活動とは、ストック資源を得るための事業期間における事業プロセスです。

「企業の目的は、利益を稼ぐこと」ですが、上記の説明をふまえると「どの経営資源を重視するかは別にして、企業はストック資源の質量を増やすことを目的としている」と言い換えることができます。どのストック資源を重視し企業活動を行うかは、経営者の考えにより異なってきます。

ここで、BS/PLについての説明です。
BS(バランスシート、貸借対照表)
→残ったストック資源、フロー活動の結果であるストック
PL(Profit & Loss Statement、損益計算書)
→ストックを増やすため、期中の儲けを示すフロー

これらをカネという尺度でリスト化したものが、財務諸表(ここでいうBS/PL)です。ヒトについてはストック資源ではあるものの、企業の所有物ではないということで、BSではなく人件費としてPLに記載されます。同様に、ノウハウや技術といった情報資源についても、ヒトに依存する場合はBSに記載されません。ただ、特許やライセンスといった形で資産計上できる場合はBSに記載されます。

BSには、「総資産」、「総負債」、そしてその差額である「資本」が記載されます。総資産は「流動資産(現金)」、「固定資産(建物や車)」と2つに分けて記載します。総負債においても、「流動負債(一時的な借金)」、「固定負債(社債やローン)」と2つに分けます。
資産であるストック資源から、負債であるストック資源を引いた資本を、要素ごとにわかりやすく判断するための表がBSです。

PLとは、ストックを増やすためのBSの期首と期末の期間における儲けを示すフローリストと説明しました。期間における「売上ー経費=利益」を、要素ごとにわかりやすく判断するための表がPLです。
営業活動における売上から、経費を引いた数字が営業利益です。そこに、営業外で得た利益(株や土地収入など)を加えた数字が経常利益です。そこから、税金などの費用を引いた額が、純利益となります。

この要素の数字の大きさやバランスに注目し意味を理解することが、会計というツールを使いこなす上で重要なポイントです。
次回は、職種ごとの会計ツールの活かし方についてお伝えします。

ロイヤルHD、純利益18億円。前期比12%増

ロイヤルホールディングスが2月16日発表した2014年12月期の連結決算は、純利益が18億円、前期比12%増となる。外食事業の経常利益は19億円となり、前期比14%増加。ホテル事業の経常利益は27億円となり、前期比36%増加。訪日外国人が増えた結果、日本人のビジネスマンによる利用が増え、ホテル業界全体の稼働率が上昇したなかで、手頃な値段とサービスレベルの改善が再度の利用を促したことが奏功した模様。2015年12月期の売上高は2%増の1270億円、純利益は7%増の20億円を見込む。

クラレ、純利益360億円。過去最高

クラレは2015年12年月期の連結純利益が過去最高を更新し、360億円となると発表した。年間ベースの推定値と比較すると31%増となる。売上高は11%程度増加の5400億円、営業利益は23%程度増加の630億円を見込む。洗剤用の水溶性フィルムや光学フィルムの販売が伸びたことに加え、原油安が追い風となった模様。

仕事や面接で必要とされるコミュニケーション手法 OSCD

コミュニケーション力についての議論となると、話し方や伝え方の巧拙がよく取り沙汰されますが、それよりも重要なことがあります。最も重要なことは「いかに本質的な情報を伝え合うか」です。そのためには関係者と課題が共有されていることが大切です。つまり、仕事や面接など組織や利害関係者との共同の取り組みにおいては、事前準備が成果を分ける大きなポイントとなります。

面接においては、自分をPRすることよりも、先方の企業の課題や募集背景を把握したうえで、自らの仕事の目的と照らし合わせ「仮説を立てて」対話に望むことが相手との理解を深め合うポイントです。

ビジネスコミュニケーションにおける有効な手法の一つとして、OSCD(プロジェクト目標)と呼ばれる事前準備の方法があります。OSCDとは、目的(O)、成功基準(S)、前提となる条件(C)、成果物(D)の頭文字からなる略語です。
この手法の有効性のポイントは、プロジェクトの背景がストーリーとして関係者に周知されるため、スタートからゴールまでの道筋を強くイメージしながら動くことで仕事の成功率が上がることです。
これらの一連の流れは、「本質的な情報を伝え合う」ための手法として活用してください。

例えば、営業部において課を新設するというプロジェクトをあなたが担ったとします。そこで、なぜ営業部において課を新設しなければならないのかストーリーを作成し、全体としてのバリューを考慮しましょう。そのうえで、関係者それぞれにとっての意義や価値を見出し、事前に対話を行ってください。

それぞれの項目ごとの具体的な例として、
目的(O)には、顧客サービスの質の向上、売上拡大、人員育成などが挙げられます。その上で、客観的に判断できる成功基準(S)を設け、目的(O)達成のため犠牲になってはならない前提条件(C)を設定します。例えば、課を新設するにあたってかかる初期コストは1年で回収し決算に影響は出さない、などです。
そのうえで、成果物(D)をそれぞれの関係者に共感出来るように設定します。
プロジェクト遂行にあたっては、プロジェクトスタート前に関係各所に共感が得られるようスケジューリングし、関係者を得意分野にアサインした上で進められるように出来ればベストです。

この時点までで、共感が得られていない人物がいる場合、理由は2つです。その人物があなたの話の内容を理解できていないか、関係者の利害と対立しているかのどちらかです。対応としては、説得を試みるのではなく、目的と課題の共有、そしてその優先順位についての相互理解、本質的な価値についての対話など、「深く」コミュニケーションを行うことで解決に近づくかと思います。

それぞれ、立場や個性によって仕事の目的や捉え方が異なるので、相手の言葉をそのまま受け止めるのではなく、こちらから深く投げかけることで相互理解が深まるということを想像してください。そのうえで、事前に相手の置かれている状況や考えについての仮説が立てられていれば、より本質的な対話ができます。

ポーラ・オルビスHD、純利益前期比42%増

ポーラ・オルビスホールディングスが2月13日発表した2014年12月期の連結決算は、純利益が前期比42%増の103億円だった。過去最高の実績となる模様。オルビスのプロダクトが売上前期比4%増の1980億円と伸びたことが全体の業績貢献に繋がった。2015年12月期の純利益は1%増の105億円を見込む。

マツモトキヨシ、純利益21%減

マツモトキヨシホールディングスが2月13日発表した2014年4月〜12月期の連結決算は、純利益が前年同期比21%減り76億円だった。売上高は前年とほぼ変わらず3625億円。グループでの出店増加数は46店舗だったが、既存店の客数が単月5%減となる月もあるなど、地方の個人消費の落ち込みが響いた模様。15年3月通期の業績見通しは従来予想に据え置き、売上高が前期比1%減の4900億円、純利益が16%減の112億円を見込む。